都市

MICHIYA2005-10-02

東京の私鉄も随分と地下化が進んできた。ぼくの住んでいる武蔵小山目蒲線目黒線に変わって(5年前)、駅も地下化工事の真っ最中だ。30年位前はまだ木製の車両だったと思う。今は当然、ステンレス車両になってるのだが、これはこれでケッコウカッコイイかもと思う。地下になれば踏み切りが無くなるので、都道26号も少しはスムースになるかな(多分ならない)。子供の頃、踏み切りの警報は本物の鐘だった。この鐘の音が大好きで今でも良く覚えている。電子音の擬似鐘の音に替わった時はとてもがっかりした。声、笛、鐘、生の音が無くなっていくと、街の喧騒も立体感が無くなって、街の臨場感も薄らいでいく。街がライブ感を少し失う。地下は静かだ。暗闇の中から突然電車が現れる。踏み切りがあって、遠くの方から警報の鐘の音が風に乗って聞こえてくることは無い。荏原中延駅のトンネルは外光が入っているのでトンネルの向こうから電車がくるのが見える。コンクリートのシンプルな空間にステンレス車両が滑り込んできて段々接近してくる。光のグラデーションを通るレールはトンネルの出口で上に向かって登っている。音、気配の無い、すごく視覚化された景色。